秋田近代史研究会

秋田県の近現代史を考える歴史研究団体です。

2024/総会・春季研究会のお知らせ

2024年度総会・春季研究会を次の内容で行います。多数ご参加ください。
◇日 時:5月25日(土)10:00~16:00
◇会 場:秋田県生涯学習センター 5階 和室
秋田市山王中島町1-1 ☎018-865-1171

◇総会・研究会日程
10:00~12:00 総会・情報交換

12:00~13:00 昼食

13:00~14:00 報告1 菊池保男(「能代山本の先人たち」実行委員会代表、本会会員)

「北羽新報に掲載中の『能代山本の先人たち』について」

概要
能代山本の先人たち」は、2年前の8月から約100人を地元誌・北羽新報に月2
人のペースで掲載することにして始まり、4月で64人が掲載済みです。
本報告では最初にどうしてこのような「企画」をたてたかについて、2018年『能
代市史』が「近世通史編」の刊行で終わったことと関係させて説明します。
次にどのような観点から約100人を選出したか、さらに執筆陣をどのようにして
決めたかについて説明します。そして北羽新報に掲載するに至った経緯について説
明します。
最後に今まで取りあげた先人に対する「反響」のほか、他の人が書いた「原稿」
を小生が目を通した後、北羽新報に送る事にしていることから生じてくる「問題」
について話して報告を終えたいと思います。

14:00~14:20 質疑応答

14:30~15:30 報告2 安田隼人(前小坂町立総合博物館郷土館学芸員)
「観光地としての十和田湖をめぐって-ツーリズムからナショナリズムへ-」
概要
近世以前の十和田湖は霊山として信仰の対象であった。それゆえに女人禁制や十
和田湖にいたるまでの険峻な道程は修行であり、不便であることが信仰として重要
な意味を持っていた。

しかし近代に入り十和田湖の開発が進むとその風光明媚さから観光地と見出され
た。鳥谷幡山、鳥谷部春汀の働きかけにより大槻桂月と平福百穂十和田湖を訪れ、
この紀行文が雑誌『太陽』に載ると次第にその熱を帯びていった。これは和井内
行や青森県知事武田千代三郎らによる国立公園指定運動、新日本八景選定につなが
る。新日本八景選定は大阪毎日新聞社東京日日新聞社のメディア・イベントであ
るが、鉄道省が後援したことによりツーリズム空間はさらに拡大した。「郷土の熱
狂」は拡大した空間によって共有され、「日本なる風景」を形成していった。
さらに「帝国」の拡大によって、「日本なる風景」の周縁は拡大された。同時に
中心部の濃度は濃縮されていったと考えられる。

15:30~15:50 質疑応答 16:00 閉会行事